大久保駅(近鉄)

<概略>

京都府宇治市広野町西裏にあるこの駅は、近鉄京都線の中間の主要駅である。また、京都盆地の南部を縦断する平野部を走る近鉄京都線の駅の中で、もっとも標高の高い駅となっている。

乗降者数は宇治市内の各社線の駅の中でも最も多く、2008年:27,547人/日、2010年:26,217人/日、2012年:25,349人/日となっている。
また、宇治市を含めた、京都府南部・山城地区の44の駅の中でも最も多いが、新田辺駅と乗降車数が近く、年度によっては新田辺駅と逆転する。
近鉄京都線内においては、京都駅、西大寺駅、丹波橋駅、高の原駅に次いで5番目であるが、近鉄のホームページで公開されている2010年度の統計では、新田辺駅に次いで6番目。

一応、大久保駅周辺自体もある程度の人口はあるのだが、それ以上に近隣市町からのバスのターミナルでもあるため、城陽市・久御山町からの大久保駅利用も多い。

そのため、駅前にはスーパーや大手レンタルビデオ店、飲食店などの店舗や金融機関の支店なども一通りそろっているほか、駐輪場・駐車場・ロータリーなど、主要駅として必要な要素は一通りそろっている。

また、駅そのものも、有人駅であり、特急券・定期券の購入も窓口で対応されている。

一言で形容するのであれば、『ベッドタウンの中心駅』ということになる。

<駅構造>

高架駅でホームは2面4線で、典型的な中間の緩急接続可能駅、という構造になっている。東側から1番乗り場となっている。なお、当駅始発着の列車の設定はないため、上下の渡り線の類はない。高架駅で駅の両端がすぐに急勾配になっているため、構造上も渡り線や留置線の設定が難しいことも考えられる。

  • 1番乗り場:新田辺・大和西大寺・奈良方面行きの退避列車
  • 2番乗り場:新田辺・大和西大寺・奈良方面行き各列車、および通過列車
  • 3番乗り場:京都、(京都市営地下鉄)国際会館方面行き各列車、および通過列車
  • 4番乗り場:京都、(京都市営地下鉄)国際会館方面行きの退避列車

各ホームは、階段(南北2箇所)・エスカレーター(ホーム南側・昇りのみ)・エレベーター(ホーム北側)で地上階のコンコースに直結している。ホームは駅の3階部分にあり、北側階段は2階部分で合流するのだが、乗換駅という性格ではないため、あくまでも設計上の都合でそうなっているだけである。(2階部分で階段を合流させて開いたスペースにエレベータを設置している)

なお、駅の高架化は1987年で、それまでは急行停車駅ではあったものの、相対式2面2線で、ホーム有効長も5両分であった。

駅のバリアフリー対策は比較的早期から行われており、高架化と同時であったかは定かではないが、エレベーター、車椅子対応トイレが設置されている。

また、改札内のコンコースの空間は広く、ケーブルテレビのモニターがあったりもするが、トイレ・売店は広いコンコースの隅に1箇所あるだけである。なお、ホーム上には飲料・タバコの自販機はあるが売店はない。

なお、改札は1階コンコースに1箇所のみである。

<バスとのジャンクション駅>
 宇治市中部の丘陵住宅地、城陽市北部、久御山町からのバスが、ラッシュ時にもなるとひっきりなしに発着し、それらの乗客がそのまま近鉄大久保駅から近鉄電車に乗車する。が、そのバスは全て、京阪電鉄系列のバス会社の路線であり、近鉄系列のバスは一切発着していない。そのことによる不都合は特にみられないが、近鉄と京阪が直接の競合になるケースが殆どないこと。近鉄京都線の前進である、奈良電鉄は近鉄と京阪双方が出資していた会社であったこと、城陽方面は別だが、宇治市中部の住宅地、および久御山町方面へのバスは、殆どのケースが京阪電鉄の駅をターミナルに持つ路線である。(一例が京阪宇治~近鉄大久保~京阪淀を結ぶ系統)そんな背景もあり、近鉄バスが割り込んでくる余地もなければ、そういった噂も立たない。

また、現在はなくなってしまったが、関西国際空港へのリムジンバス、東京行きの夜行高速バスも乗り入れていたが、それらも京阪系統のバスであった。

 

<懸案事項>

どこのベッドタウン駅にも共通することであろうが、バスの恩恵を受けない地域の乗客や、バス路線があってもバスを嫌う乗客の送迎のためのマイカーが多数あり、それらのマイカーの交通マナーが極めて悪い。バス停の直前直後で平気で人待ちをしているドライバーも多く、特にバスの定時運行に支障をきたすケースが多い。2012年11月に駅東側が『大久保駅前交通広場』として整備され、バス・タクシー・駐車場が駅東側に集約され、バス停の前後でマイカーが邪魔をする問題はひとまず解消された。バス停の移転に伴い空いたスペースは、『キッスアンドライド』として整備され、2014年には供用されている。また、『大久保駅前交通広場』内の駐車場は収容台数の減少や、『キッスアンドライド』部分で停車しきれない場合を考慮し、15分以内の短時間利用は無料とされているが、『キッスアンドライド』部分をはみ出して停車しているマイカーが特に平日夜間に多く、交通マナーの悪さは改善されていない。

この背景には、駐輪場が一応存在するものの、営業時間が6時~11時となっており、始発や終電近くでの通勤を余儀なくされる乗客にとっては、全く利用価値のない駐輪場になってしまっていることと、駅自体が丘陵地の中腹に位置する駅であるため、駅の東西南北いずれからアクセスするにしても、行きか帰りのどちらかが、自転車にはキツイ登り坂になること、これらの要因がマイカーでの送迎を助長しているものと思われる。

また、駅施設としては、有人駅ではあるものの、窓口は最大でも2つしかないため、月末月初は定期券購入のため、長蛇の列ができている。IC乗車券のPitapa対応は2007年からスタートしてはいるが、JRのICOCAとは異なり、完全な定期券の代替とはならず、3ヶ月、6ヶ月の定期を利用する乗客から見れば、Pitapaは割高になるため、特に定期利用客のPitapa移行があまり進んでいない。たとえば、大久保駅から京都駅(運賃290300円の区間)の定期利用の場合、1ヶ月であれば、Pitapaも磁気定期券も同額であるが、6ヶ月定期とPitapaを比べると、Pitapaが7000円も割高になってしまう。(2010年時点)
現在では、ICOCA定期が利用できるようになっているため、そちらへの移行は進んでいるものと思われる。

*Pitapaの場合、対応各社で完全に磁気定期券の代替になっているかが分かれており、阪急・阪神・南海・山陽などは完全な磁気定期券の代替になりえているのに対して、近鉄はそこまで対応できていないという問題もある。関西の大手で、IC定期券として利用できないのは、近鉄と京阪のみ、というのが現状である。IC定期券に対応するには、利用パターンが自社で完結する乗客が殆どの場合はまだ容易だが、連絡定期となると、連絡している会社間での連携が必要になる。特に近鉄京都線においては、京阪電鉄との連絡利用が多いため、近鉄と京阪で協調してIC定期券化を行う必要があるが、その協調が進んでいないため、Pitapaへのシフトが進んでいないものと思われる
現在も近鉄・京阪でPitapa定期は発行されないが、ICOCA定期が発行されるようになった。

 

<利用状況・駅周辺>

一般的な駅勢圏からの乗客に加え、バスからの乗り換え客が多く、商業施設も近いことから駅前は人の流れが絶えない。

2008年11月18日の調査結果によると、1日の利用客は27,547人となっており、近鉄の全調査対象駅の中では287駅中24位。京都府内の近鉄の 駅としては23駅中3位。という数字になっている。

改札が一箇所にしかなく、人の流れがいったんそこで集中するが、商業施設やバスターミナル、タクシー乗り場、自転車乗り場の各方面に分散していき、高架駅で踏み切りも無いことから、特に人の流動にネックになるような箇所はない。

が、駅周辺の路上駐車が多く、これらは駅の利用客の人待ちに加え、駅前の商業施設の利用客の路上駐車が非常に多い。

駅前の改札の対面には『Herves』という近鉄系列のスーパーマーケットが立地しているほか、金融機関の支店、大手レンタルビデオ屋、飲食店、スーパーマーケットなどの施設が一通りそろっており、それなりに利便性は高いが、意外なことに駅前にコンビニがない。最も近いコンビニはサンクスローソンが駅北東徒歩3分のところにあるが、北東方面に徒歩・自転車で向かう客以外は利用しない。当然、バス利用客は見向きもしない。

また、ベッドタウン駅の性格が強い駅ではあるが、近鉄沿線から宇治市内の観光・行楽地へのアクセスは、当駅からバス利用が一般的。代表的なスポットとしては、以下のスポットがある。

  • 平等院鳳凰堂(世界遺産)
  • 宇治上神社(世界遺産)
  • 太陽が丘(京都府立運動公園)
  • 宇治市植物公園

また、立命館宇治中学・高等学校、京都府立久御山高等学校へのバス路線があるため、学生の利用客も多い。

なお、駅北西側には陸上自衛隊・大久保駐屯地が展開している。

<隣の駅・停車する列車>

特急以外の列車が停車する。当駅止め、当駅発の列車は設定されていない。

  • 急行(京都市地下鉄直通あり)
  • 準急(朝夕ラッシュ時のみ)
  • 普通(京都市地下鉄直通あり)

なお、隣の駅は以下の通り。

  • 京都方面:伊勢田
  • 西大寺方面:久津川

<個人的雑感>

京都府南部在住の管理人にとっては、最寄り駅ということもあり、利用頻度の高い当駅であるが、自転車置き場の営業時間がネックになるため、行楽時はともかく、通勤に使うことを考えると、案外使いにくい駅になってしまっている。通勤利用客の大半は京都市内への通勤客であるが、丹波橋乗換えの大阪方面への利用客も思いのほか多い。特に大阪方面に通勤している利用者や、早朝・深夜に利用する場合に自転車置き場が利用できないのは非常に不便であり、近隣の商業施設や路上駐輪も絶えない。

改善の余地があるとすれば、この利用しにくい駐輪場の営業時間を鉄道の営業時間と合わせることが急務であろう。

やはり、路上駐車・路上駐輪・近隣施設への駐輪、というのは、モラル的にいかがなものか、というのもあるが、駐輪場の営業時間の短さが、これらの迷惑行為の原因になってしまっているため、対策は必須であろう。

現状でも、駐輪場のキャパシティー自体は決して不足していないので、入退場にゲートを設けて、無人での運用も可能にして、営業時間を鉄道の営業時間帯よりも長く取れるようにする必要がある。

<参考文献>

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乗りつぶし日記 その42 ~近鉄の盲腸線をたどる~

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