大和西大寺駅(近鉄)

<概略>

奈良県奈良市西大寺国見町一丁目にあるこの駅は、近畿日本鉄道の膨大なネットワークの中でも、とりわけ重要なジャンクション駅の機能を果たしている。

奈良・京都・大阪・橿原方面からの結節点であり、要衝となっている。本数の多い路線がX字型に交わるが、平面交差となっている。そのため乗換駅としては移動距離が少なくてすみ、利便性の高い駅構造となっているが、一路線で生じた遅れが別路線にも伝わってしまうという欠点もある。

 

<駅構造・乗り入れ路線>

ホームは3面5線。北側から1番乗り場、最も南は6番乗り場となっている。(4・5番乗り場が両面ホームになっているため)

  • 1・2番乗り場:奈良、天理、橿原神宮前、伊勢志摩方面行き各列車
  • 3~5番乗り場:京都、大阪難波、(阪神)尼崎、(阪神)三宮方面行き各列車
  • 6番乗り場:当駅折り返しの天理・橿原神宮前行き各駅停車、一部の大阪難波行き列車(天理・橿原神宮前発大和西大寺行き各駅停車が、運用の都合上でそのまま大阪難波方面行きの列車になる場合、6番乗り場からの発車となる)

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各ホームは、東側の地下通路、西側の橋上駅舎でそれぞれ繋がっており、それらを介して全ホームへのアクセスが可能。なお橋上駅舎は2009年9月に増床工事が完成して、いわゆる『駅ナカ』のショッピングモール「Time's Place Saidaiji(タイムズプレイス西大寺)」となっており、カフェや惣菜屋、ドラッグストアなどが入っている。

また、上記橋上駅舎の増床に伴って、エレベーターの設置が行われ、バリアフリー化に寄与している。(というか、利用者が多い割りに、バリアフリーに対応できていなかったのは積年の課題であった)

<ジャンクション駅としての利便性>

京都・難波方面からの列車と奈良・天理・橿原神宮前方面への列車、奈良・天理・橿原神宮前方面からの列車と京都・難波方面への列車を乗り換える場合には、ほとんどの場合、同一ホームの乗換えとなり、利便性が高い。

しかし、京都方面~難波方面の乗換えとなる場合には、必ず別ホーム乗換えとなるうえ、ダイヤの組み方も、前出のパターンの利便性を重視したものになっている。

各 路線の成り立ちを考えた場合、このようなパターンになるのは自然といえるが、京都府南部~大阪方面への利用客は多く、データイムでも橋上駅舎へのエスカ レーターには特に乗り換え客が殺到する。このため、京都方面~難波方面の乗換えとなる場合は若干乗換えが面倒になり、必ずしもダイヤ上の接続が良いとはい えない。

が、当駅の輸送密度を考えると、改善の余地は多くなく、絶対的な列車本数が多いため、京都方面~難波方面の乗換え駅として考えても、便利な部類には、入ると思われる。

<懸案事項>

平面交差ゆえ、乗り換えの利便性が高い反面、列車本数の多さから、発着の遅延が多発している。

また、『開かずの踏み切り』とくに駅西方の「あやめ池8号踏切」は難波・京都方面構内ポイント群上にあることや、奈良・京都両線をまたぐこともあって締切り時間も長く混雑しているほか、踏切事故も多く発生している。

特 に踏み切り問題に関しては、立体交差化しか有効な対策は考えられないが、工事に当たっての仮線設置のための用地確保が困難な点や、各線とも利用の多い主要 幹線のため、輸送力の小さいバスなどでの代行輸送はほぼ不可能といった点があり、駅自体の地下化・高架化はほぼ不可能なのが現状である。

<利用状況・駅周辺>

乗り換え客が多いが、周囲は古くからの住宅地であり、商業施設も近いことから狭い駅前は人の流れが絶えない。

2008年11月18日の調査結果によると、1日の利用客は49,450人となっており、近鉄の全調査対象駅の中では287駅中10位。奈良県内の近鉄の駅としては90駅中3位。という数字になっている。

駅 前(特に北口)は狭く、駅に沿う道路も2車線以下であるため、人と車が交錯し雑然としている。ただし北口・南口両側ともに平城遷都1300年記念事業の一 環で道路の拡張などの整備が行われており、特に北側については、2005年から新バスターミナル・タクシー乗り場の供用が開始された。南側についても順次 区画整理が進められ、2007年から一部道路供用が開始されている。

駅周辺には『ならファミリー』といった大型商業施設に加え、金融機関の支店、コンビニ、郵便局などの施設が一通りそろっており、利便性は高い。

また、平城宮跡へも当駅が最寄り駅である。

なお、駅南東側は近鉄西大寺検車区西大寺車庫で占められている。

<隣の駅・停車する列車>

特急を含めて、全ての列車が停車し、当駅止め、当駅発の列車も多数設定されている。

奈良線・京都線・橿原線と3線のジャンクションのため、列車種別は多岐に及ぶ。

  • 特急(奈良線・京都線・橿原線(伊勢方面直通))
  • 快速急行(奈良線(阪神電鉄直通))
  • 急行(奈良線・京都線・橿原線)
  • 準急(奈良線)
  • 区間準急(奈良線(阪神電車直通))
  • 普通(奈良線(阪神電車直通)・京都線・橿原線)

なお、各線の隣の駅は以下の通り。

  • 奈良線奈良方面:新大宮
  • 奈良線難波方面:あやめ池
  • 京都線:平城
  • 橿原線;尼ヶ辻

<個人的雑感>

京 都府南部在住の管理人にとっては、利用頻度の高い当駅であるが、非常に良く出来たジャンクション駅であり、駅ナカの充実もあって、非常に利便性の高い駅と いえる。管理人は京都方面~難波方面の利用頻度が高いため、乗り換え通路の混雑や接続の悪さは若干気にかかるが、これ以上の贅沢はいえない。乗継が悪いといっても、京都行き、難波行きの優等列車(急行・快速急行)は基本的に10分毎である。

狭い土地にジャンクション駅としての機能を詰め込んでいるため、乗り換えの利便性の高さの反面、開かずの踏み切り問題などが発生するのは致し方ないところかと思う。

しかし、これからは低炭素社会を目指していかなければならない以上、利便性の優先度は鉄道にあるべきと考えているので、開かずの踏み切り対策は、歩行者・自転車向けの地下道の整備といったあたりが現実的ではなかろうか。

4方面へのジャンクション駅であり、車庫も隣接するうえ、人の流動パターンも多様なため、下手な高架化・地下化は工費・工期がかさむ上、駅の利便性を損ないかねないため、管理人は不必要と考える。

更なる利便性の向上を図るのであれば、地平駅のまま、現在の2・3番乗り場の間にホームを設置し、全列車とは行かないまでも、京都方面~難波方面の同一ホーム乗り換え・平面乗換えを可能にすることが考えられる。

その場合、駅を南側に拡張して用地を確保するのが、工期を考えても妥当な路線だろう。

ただ、せっかく橋上駅舎の増床が完了したばかりなので、現状にあまり手を加える必要も無いと思われる。

<参考文献>

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乗りつぶし日記 その40 ~北陸鉄道のりつぶしツアー~

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『北陸』『能登』ラストラン