2016年12月の記事一覧

有価証券の整理

<概要>

  • 有価証券には価値の変動がつきもの。決算時に差額を調整する。

有価証券の評価

株式などの有価証券の価値は必ずしも購入時の価格がそのままというわけではありません。
以前の記事で、購入時はその時点の価格(+手数料)で仕訳し、売却時には価格の変動分は『有価証券売却益』や『有価証券売却損』で仕訳していました。

有価証券を決算時まで保持していた場合、有価証券も立派な資産ですから、取得原価のまま計上しては、会社の財政状態を適正に反映していないことになってしまいます。
*ただ、有価証券の資産価値はあくまでも取得価格である、という考え方も認められています。

そのため、決算時には取得価格と期末における時価の差額を算出し、適正な金額に修正します。
この手続を『有価証券の評価替え』といいます。

有価証券の評価方法には『時価法』と『原価法』があります。

  • 時価法 持っている有価証券の評価はその時の時価であるとし、決算時に評価を修正する方法
  • 原価法 持っている有価証券の価値は取得時の価格であるとする方法
この内、決算時に有価証券の評価替えが必要なのは『時価法』の場合です。

時価法による決算整理仕訳

時価が取得価格より低くなった場合

借方に費用グループの『有価証券評価損』を記入して処理し、「有価証券」勘定を減額させる。
(例:取得原価70万円の有価証券が、期末時点では55万円の評価額となった)

借方 貸方
有価証券評価損 : 150,000 有価証券 : 150,000

この決算整理仕訳を精算表に反映すると下図のようになる。
(図は「精算表」から関連箇所だけを抜粋したもの)
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時価が取得価格より高くなった場合

貸方に資本グループの『有価証券評価益』を記入して処理し、「有価証券」勘定を増額させる。
(例:取得原価70万円の有価証券が、期末時点では80万円の評価額となった)

借方 貸方
有価証券 : 100,000 有価証券評価益 : 100,000

この決算整理仕訳を精算表に反映すると下図のようになる。
(図は「精算表」から関連箇所だけを抜粋したもの)
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貸倒引当金の整理

<概要>

  • 『貸倒引当金』とは、得意先の倒産などに備えて貸倒れ予測額を見積もって計上し、損失に対処するためのもの。
  • 通常は決算時に売掛金の残高などをもとに見積もる。
  • 『貸倒引当金』勘定は、資産のマイナスという特殊な勘定科目

貸倒引当金

商品やサービスを売り上げた先の取引先が倒産してしまう事態を、簿記用語では『貸倒れ』と呼んでいて、その場合の対処は以前の記事でも触れていますが、『貸倒損失』という費用を使って処理します。
ただ、当期に発生した売掛に対して、同じ期に貸倒れが発生した場合であれば、収益と費用の対応関係が取れていますので、痛いことは痛いですが、経営成績(財務成績)に影響はありません。

しかし、貸倒が次期以降に発生してしまった場合には、『貸倒損失』の分だけ費用だけが増えて、経営成績に悪影響が出てしまいます。そのような自体に備え、あらかじめ用意しておく勘定科目が『貸倒引当金』です。

なお、『貸倒引当金』は、【資産のマイナス】を表す、特殊な勘定科目です。

決算時に、売掛金の残高などをもとに見積もっておき、次期以降に貸倒が発生してしまった場合には、回収できなくなった売掛金を『貸倒引当金』から取り崩して充当します。

はじめて貸倒引当金を設定する場合

例:売掛金が500万あり、その1割を貸倒引当金に設定した場合

決算整理仕訳時に、売掛金の残高などをもとに見積もり、その額をもとに仕訳します。
なお、この時に『貸倒引当金』に対応するための勘定科目として、費用グループの『貸倒引当金繰入』を使用します。

借方 貸方
貸倒引当金繰入 : 500,000 貸倒引当金 : 500,000

この決算整理仕訳を精算表に反映すると下図のようになる。
(図は「精算表」から関連箇所だけを抜粋したもの)
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決算時に貸倒引当金の残高がある場合の処理方法

期末時点で貸倒引当金に残高がある場合の決算整理の方法には、『洗替法』と『差額補充法』があります。

洗替法で処理する場合

いったん、貸倒引当金の残高すべてを収益グループの『貸倒引当金戻入』という勘定に振り替えた後に、新たに当期分の貸倒引当金の設定を行うパターンです。
ここでは、期末時点での貸倒引当金の残高は40万円とし、見積もった貸倒引当金の必要額は50万円とします。

借方 貸方
貸倒引当金 : 400,000 貸倒引当金戻入 : 400,000
貸倒引当金繰入 : 500,000 貸倒引当金 : 500,000

この決算整理仕訳を精算表に反映すると下図のようになる。
(図は「精算表」から関連箇所だけを抜粋したもの)
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差額補充法で処理する場合

貸倒引当金の残高と、期末の残高を比較し、その差額分で処理する方法です。
差額補充法の場合、「残高 > 見積額」の場合と、「残高 < 見積額」の場合で、仕訳方法は異なります。

1.残高 > 見積額 の場合

ここでは、期末時点での貸倒引当金の残高は50万円とし、見積もった貸倒引当金の必要額は40万円とします。
貸倒引当金の残高50万円の内、見積額との差額10万円を、収益として繰り入れるイメージとなります。

借方 貸方
貸倒引当金 : 100,000 貸倒引当金戻入 : 100,000

この決算整理仕訳を精算表に反映すると下図のようになる。
(図は「精算表」から関連箇所だけを抜粋したもの)
kasidaore-kessann3.png
2.残高 < 見積額 の場合

ここでは、期末時点での貸倒引当金の残高は40万円とし、見積もった貸倒引当金の必要額は50万円とします。
見積もりと比べて不足している10万円を、追加で貸倒引当金に繰り入れるイメージとなります。

借方 貸方
貸倒引当金繰入 : 100,000 貸倒引当金 : 100,000

この決算整理仕訳を精算表に反映すると下図のようになる。
(図は「精算表」から関連箇所だけを抜粋したもの)
kasidaore-kessann4.png
 

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