収益と費用

<概要>

  • 『収益』とは営業活動などで得た収入
  • その『収益』を上げるために必要な経費を『費用』という
  • 『収益』から『費用』を差し引いたものがプラスなら純利益、マイナスなら純損失となる。
  • 『収益』と『費用』は増加と言わず、『発生』という


そもそも『収益』とは?

会社は日々、いろいろな営業活動を行っているわけですが、その結果得た収入のことを総称して『収益』と呼びます。
『収益』が増えた場合、簿記用語では増加とは呼ばず、『発生』といいます。
なお、『収益』には、厳密には営業活動以外で得た収入も含まれ、それらは『営業外収益』や『特別収益』として、帳簿に記入します。

そもそも『費用』とは?

事業を営み、『収益』を獲得するためには、実に様々な経費がかかります。『給料』もそうですし、商品の仕入れ代から、テナント料など、様々な経費がかかります。
こういった経費のことをまとめて『費用』と呼びます。
『費用』に関しても、営業活動とは直接関係ないものもあり、それらは『営業外費用』や『特別損失』として、計上されます。
『費用』も収益の場合と同じように、増加と言わずに『発生』といいます。
 

『収益』と『費用』の関係

この『収益』と『費用』は、『損益計算書』を構成する重要な要素で、『収益』と『費用』を差し引きし、プラスになれば『純利益』、マイナスになれば『純損失』となる訳です。

過去の記事で、損益計算書は『費用』『収益』『利益/損失』の3要素で成り立っている。という説明をしましたが、『簿記の五大要素』には、『利益/損失』は入りません。これは、『利益/損失』の数字は、『収益』と『費用』を計算して求める、という性格を持っているからで、日常的な取引を記帳する場合に、『利益/損失』を直接記帳するというケースは無いからです。

また、『収益』と『費用』の増加を『発生』と呼ぶ理由ですが、書籍やサイトでも、あまり触れられていないようです。
会計の実務や、資格の取得のためであれば、特に理由を深追いせず、丸暗記してしまえばよいのでしょうが、せっかくなので考察してみます。

あくまでも、筆者個人の見解ですので、その点はご注意を。

これも以前の記事と関連してきます。
『日常の手続き』は文字通り、日々の様々な取引を「発生順」に『仕訳帳』という帳簿に記入する
と説明しました。『取引』の発生を記帳していくわけですが、この『取引』の際には、『資産』 『負債』 『資本』 『収益』 『費用』のいずれかが増減します。
ただ、『資産』 『負債』 『資本』といった、貸借対照表向けの科目は増加も減少もありえますが、『収益』 『費用』といった損益計算書向けの科目は、基本的には『増加』する一方です。
ですので、『増加』と『減少』を分ける必要がなく、『取引』の発生に伴うものだから、そのまま『発生』という言葉を使い、『収益の発生』、『費用の発生』と呼ぶ・・・といったところでしょうか。

 


『利益/損失』の扱い

『損益計算書』を見る限りでは、『利益/損失』は非常に重要な要素というより、『利益/損失』を見るための資料が『損益計算書』なわけですが、なぜこの『利益/損失』は『簿記の五大要素』には含まれないのでしょうか?

『取引』とセットになっている『簿記の五大要素』に対して、『利益/損失』は、決算期間内の営業成績を見るための数字であり、目的・性格が異なるからといえばそれまでですし、会計の実務や、資格の取得のためであれば、特に理由を深追いする必要もないでしょう。
厳密には『取引』が発生した時点で、『収益』や『費用』が発生していれば、瞬間的には『利益/損失』の数値も変わっているわけですが、『利益/損失』の瞬間的な値を記帳してもさほど意味はないということもあるでしょう。

少々無理矢理ではありますが、この『利益/損失』の事例を踏まえて、説明できる情報システムの考え方(厳密にはデータベースの考え方)があります。

『利益/損失』のように、システムのアウトプットを見る限りでは重要な項目なのに、システムの内部には保持されていない、というケースは実は珍しくありません。

データベース(特に関係データベース)の設計技法として、『データベースの正規化』という考え方があり、表の項目を検討するときの指標として以下のような考え方があります。
「別の項目に記録されている値を使って、計算で導き出せるものは表の項目にはしない」、という考え方です。

例えば、Excelなどで作った、以下のような、売上一覧表があったとしましょう。

日付 品名 単価 数量 売上
2015/01/01 鉛筆 \100 120 \12,000
2015/01/02 ノート \150 80 \12,000
2015/01/03 クリアファイル(10枚) \180 25 \4,500
2015/01/04 バインダー \980 15 \14700

この内、『売上』は『単価』×『数量』で計算すればわかるので、データベース上には保持させません。

『利益/損失』の場合、『仕訳帳』という表の『借方』『貸方』に『利益/損失』という種類が登場するのかどうか、ということなので、厳密には正規化と直接関係する話ではないのですが、「計算で導き出せるものは、わざわざ保持しない」という考え方は似た部分があります。

もっとも、簿記の場合、情報システムよりもはるかに長い歴史のあるものですから、簿記の原則として、『資産』 『負債』 『資本』 『収益』 『費用』の5要素という考え方のほうが先にあって、もとより『利益/損失』は別扱いだったと見るのが妥当でしょう。

ただ、簿記などの業務を情報システム化していく中で、「利益/損失は、決算時点で収益と費用の差を計算すれば分かるよね?なら、その都度記録しておく必要はないんじゃない?」という、『データベースの正規化』に近い考え方がなされたのは想像に難くないところではありますが。
 

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HN:キリ
京都府南部を拠点にフリーのITエンジニアとして活動しています。

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