2015年2月の記事一覧

取引

<概要>

  • 『取引』とは『資産』・『負債』・『資本』・『収益』・『費用』という、5大要素のいずれかが増減すること
  • 取引には必ず、入ってくるものと出て行くものがある。
  • 取引に2つの面(入・出)があることを『取引の2面性』という

 

簿記で言う取引とは

借方・貸方の記事で紹介済みですが、簿記で言う『取引』とは、『資産』・『負債』・『資本』・『収益』・『費用』という、5大要素のいずれかが増減する事柄のことを指します。
日常的な用語として使われる『取引』とは、若干ニュアンスが違いますね。

一般的には、商品の売買や賃貸契約、ローンの契約など『取引』で指し示す事柄は多いですが、簿記の場合は『契約』という行為自体は『取引』とはなりません。
『契約』が締結され、それを踏まえて売上や資金の貸し借りが確定した時点で『取引』として記録されます。
また、一般的には一連の『取引』という扱いになるような行為でも、簿記の場合は複数の『取引』が発生する場合もあります。

例えば、業務用システムを受託開発したとしましょう。
一般的には、受託開発の契約を結び、システムを納入するまでが一連の取引となりますが、簿記の場合は以下のような取引が発生します。

  • システムを納入し、売上が確定したので請求書を発行した
  • 請求書を元に、クライアントから売上が入金された
  • 開発に関わったメンバーに給料を支払った
  • 開発に必要なソフトや機材を購入した

などなど、様々な取引が発生しています。

取引の2面性

簿記における『取引』の場合、必ず『出て行くもの』と『入ってくるもの』の両方があります。
一番わかりやすい例は、『商品が売れた場合』となるでしょうか。

『売上』という形で、『現金』は増加しますが、『商品』という手持ちの『資産』がその分減ることになる訳です。

その他、給料の支払や、税金の納入、といったものも『取引』になります。
この場合は、『費用』が増えて、『資産』が減少することになります。

さらに、『取引』という言葉からはイメージしにくいですが、不慮の事故や天災によって損害を被った場合も簿記では『取引』として記録されます。
このパターンも、『費用』が増えて、『資産』が減少する『取引』になります。
 

システム的に見ると・・・

借方・貸方

<概要>

  • ひとつの取引を【借方】・【貸方】に分類する作業を『仕訳』という。
  • 【借方】は左に書き、【貸方】は右に書く。

 

借方・貸方とは

現在の簿記の実務の上では、単に左右を区別するだけの用語になっており『【借方】は左に書き、【貸方】は右に書く』という丸暗記でも差し支えないでしょう。
下のようなイラストで覚えることも多いようです。
kashi-kari.pngこの『借方』と『貸方』という用語の起源は簿記の生まれた、中世ヨーロッパ(イタリア)まで遡るようです。
お金を貸すときは『借りてくれた方』として、帳簿の左側に記入し、他から借りた時は『貸してくれた方』として、帳簿の右側に記入したのが、起源とされています。
この『借りてくれた方』を略した『借方』と、『貸してくれた方』を略した『貸方』という用語と、左右どちらに書くかというルールが今も残っているという形になりますね。

すべての取引を左右に分解

企業・事業主の経済活動は『資産』・『負債』・『資本』・『収益』・『費用』という、5大要素のいずれかが増減することです。
この経済活動=『取引』を『借方』と『貸方』の両面に分解して記録していくのが簿記(=複式簿記)の作業であり、この作業のことを『仕訳』と呼んでいます。

この『仕訳』作業の際に、『借方』は帳簿や伝票の左側に書き、『貸方』は帳簿や伝票の右側に書きます。

ここで気をつけたいのは、必ずしも『借方』が増加、『貸方』が減少とは限らない点です。
現金などの、資産に属するものは増加が『借方』、減少が『貸方』で良いのですが、負債や資本に属するものは、全く逆で増加が『貸方』、減少が『借方』に記載されます。

 

システム的に見ると・・・

損益計算書

<概要>

  • 損益計算書は『費用』『収益』『利益/損失』の3要素で成り立っている。
  • 『収益(売上)』-『費用』=『利益 / 損失』
  • 1会計期間の期末に決算が行われる

 

損益計算書とは

損益計算書は、簿記におけるもっとも重要な報告書の一つで、その期に『会社がどれだけ儲かったのか』という経営/営業成績を知るために必要な報告書です。

よく、『ストック』や『キャッシュフロー』という用語がビジネスシーンで登場しますが、こちらの損益計算書は『キャッシュフロー』を見るための報告書ということになります。
簡単に言うと、『損益計算書』=営業成績なのですが、会社の規模が大きくなってくると、必ずしも事業と直結しない、金銭の動きがある場合もあります。
そういった、会計期間内の『金銭の動き』(=キャッシュフロー)を明示するのが、損益計算書ということになります。
*厳密には、『キャッシュフロー』にスポットを当てた『キャッシュフロー計算書』というのもあるのですが、ここでは触れません。

『収益』は事業での売上などの収入全体を表す数字となります。必ずしも『売上』だけではなく、『利息』や資産の売却益などの売上以外の収入も含まれます。

それに対して、『収益』を得るために使った、原材料費や人件費、店舗の賃料など様々な金額の合計が『費用』となります。

これらを『損益計算書』にまとめることで、その期の営業成績、もっと平たく言うと利益が上がったのか、赤字だったのかが分かるというものです。

profit-loss.png

図:損益計算書のイメージ

損益計算書の場合、『収益』-『費用』=『利益 / 損失』 という関係が成り立ちます。

そもそも、『利益 / 損失』の額を明らかにするのが、損益計算書の役割であり、損益計算書を見ることで、営業成績が明らかになるということです。

 

 

システム的に見ると・・・

貸借対照表

<概要>

  • 貸借対照表は『資産』『負債』『資本』の3要素で成り立っている。
  • 『資産』=『負債』+『資本』
  • 1会計期間の期末に決算が行われる

 

貸借対照表とは

貸借対照表は、簿記におけるもっとも重要な報告書の一つで、『会社にどれだけの財産があるのか』という財政状態を知るために必要な報告書です。

よく、『ストック』や『キャッシュフロー』という用語がビジネスシーンで登場しますが、『ストック』=『資産』ということになります。

『資産』は現金や預金にとどまらず、土地や建物、車両や備品など、会社・事業主の持っているすべての財産を合わせたものです。

その『資産』(=財産)を得るために要した、『負債』(=借金)や『資本』(=自己資金など)を『貸借対照表』にまとめることで、財政状態が分かるというものです。

balance-sheet.png

図:貸借対照表のイメージ

まさに、上のイメージ図通りなのですが、貸借対照表には絶対的なルールがあります。

それは、『資産』=『負債』+『資本』 という関係が成り立つということです。
言い換えれば、『資産』に対して、そこから『負債』を引くと、正味の財産(=『資産』)が明らかになるということです。

よく、経済ニュースで『自己資本比率』という言葉が出てきますが、それは『貸借対照表』から求められます。

*自己資本比率 = (( 資産 - 負債 ) ÷ 資本 ) × 100

 

システム的に見ると・・・

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プロフィール

HN:キリ
京都府南部を拠点にフリーのITエンジニアとして活動しています。

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